インコプフ

自己承認欲求と作文欲求の結晶

印象でブラジルワールドカップを振り返る

 

 

 

6月の中旬に始まった4年に一度の祭典がきょう、幕を下ろしました。

 

 

個人的には、グループステージをドイツで、決勝トーナメントを日本で観戦、というおもしろい経験が出来たのですが、それだけでなく、ひとつひとつの試合を注意深く観れたという点でも初めての経験となりました。

 

 

日本が勝ちなしという結果で終え、スペイン、イタリア、イングランドがグループステージで大敗、おいおいという大差のゲームもあったり、西村さんが初戦から物議を醸したりと、ただ観ているだけでもおもしろい大会だったのではないかと思います。

 

あるいはサッカーが好きでないひとからしたら、うるさい一ヶ月間が終わったと感じるかもしれませんが。

 

 

 

とにもかくにももう終わってしまったので、そんなワールドカップを、観たものの中でさらにはその印象で振り返っていきたいなと思っています。

 

 

 

 

 

ドイツが優勝できたわけ

 

ドイツの初戦の相手。それはクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に据える強豪ポルトガルでした。始まりの超好カードのうちのひとつだったことはもう懐かしいです。

 

自分はその、互角に進んでいくと思われていたのにドイツが圧倒してしまった試合を、マンハイムにある500人ほど収容できる中くらいの大きさのパブリックビューイング施設で観戦しました。

 

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この試合は特にゆっくり観ることはできなかったのですが、ミュラーの下におりてくる動きや、ドイツの得点後にも勢いを増す前からのプレスはとても印象的でした。そしてなによりも、試合終了間際のクリロナフリーキックに対するノイアーの壁二枚の指示、枠内に入ったシュートを難なく止める技術に感動したことを覚えています。

 

結局ドイツは、このときに確立できたサッカーを、決勝の舞台まで援用することに成功します。

 

 

今回のドイツの特徴をあげるなら、

・前からの激しいプレス

・徹底して中を通そうとするパス

バイタルエリアの活用

・4センターバック

ノイアーのスイーパー的活躍

・ポゼッション志向

・サブ選手の活躍、選手層の厚さ

・年齢層の好バランス

・セットプレーからの得点

 

かなと思います。

 

 

 

特に、ディフェンスラインで言えば、ラームがボランチ起用されていた初戦とアルジェリア戦(不確か)ではヘーヴェデスメルテザッカーフンメルスボアテングの本職センターバックの4人が揃うという奇妙な布陣でした。

この4人+ラームとムスタフィ(ケガした)のラインは間違いなくこの大会のナンバーワンラインだったと言えます。

 

クリロナにしてもブラジルのアタッカー陣にしても、連続的で組織的な崩しは少なかったにしろ、個人は必ずこの最終ラインの一体一で止められていました。

 

 

そこにゴールキーパーノイアーを加えて、ラインを高く保ってその一体一の強さを前でも発揮し、後ろのスペースはノイアーがケアをするという鉄壁ぶりが発揮されていました。

 

アルジェリア戦で、完全に裏へ抜けたボールを追っていったカメラが動いた瞬間、そこに飛び出してきていた(かなり高い位置)ノイアーの姿には心底驚きました。

 

 

 

 

そしてもう一つは攻撃面。

前プレからのショートカウンターも光っていましたが、それは主に勝ち越しているときのはなし。

どの試合でも、立ち上がりから徹底してやっていたのは、前線のトップ3枚+中盤1枚がバイタルを利用して、そこからさらに、相手ディフェンスラインのすきまにボールを通していこうとする形でした。

 

つまり、わざわざ、難しい形をずっとずっと続けてやってきていたわけです。

 

バイエルンのサッカーを観ていても、バイタルは大好きでそこから前を向いて崩していくのですが、ロッペンやリベリーのいないドイツ代表は、サイドを使おうとはしなかったように見えました。

 

エジルミュラーゲッツェなどは3トップのサイドでしたがそれもお構いなしにどんどん中に入っては外に抜けていくという動きを繰り返していました。

クローゼが出たときはセンタートップらしく張っている場面が多かったですが、ミュラーのセンタートップ時はいわゆる0トップの状態にもなっていたと思います。

 

そんなサイド攻撃を捨てたような、サッカーの原理に忠実に乗っ取ったような攻撃をしながら、しかしアルジェリアや決勝のアルゼンチンなどの1対0での勝利のときの得点の仕方は、サイドからのクロスである、という事実があります。

 

両者とも延長戦の末の結末ですから、そこの場面まで中ばっかりを狙っていた効果がでていたのかもしれません。また、先ほどの4センターバックとも絡んで、左サイドのヘーヴェデスの攻撃参加が良くなかった分、エジルや途中出場のシュールレがそこを使い出すと途端に焦りを生むことができるというのもあったかもしれません。

 

 

 

 

なんにせよ、総じてドイツは初戦のポルトガル戦から一貫した戦い方をしており、それは、カウンターサッカーをするチームが多い中でそれらに喧嘩を売るかのようにポゼッションをしてその組まれた守備網へ突っ込んでいく、カウンターをくらっても個の一体一の強さと勇敢で優秀なキーパーの能力で防ぐというある意味、挑戦的なサッカーであったわけです。

 

 

そしてそれを支えたのは、何度も繰り返しその必要性を説いた(であろう)レーヴ監督とそれを理解し、高い個人技、組織力、ゲームメイク能力をいかんなく発揮したドイツ代表の一人ひとりの力だったんだろうな、という想像をしています。

 

 

 

いや、ほんとに別格だったと思います。

 

 

 

 

書いているうちに次から次へと試合の場面が思い浮かんできてついつい長くなってしまいました。

 

なんにせよ、ドイツおめでとう!!!

 

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*上記はすべて試合を観たときの印象です。いま流行りのデータを使ったりとかはないです。

 

 

ではー